日本人男性はAGAをどう捉えている?
AGA(男性型脱毛症)は、加齢にともなう現象の一部として考えられており、悩んでいない人にはあまり深刻にとらえられていません。そこで、日本の成人男性がAGAに対してどんな認識を持っているのか、アンケート調査が行われました。すると、約30%の人が自分は抜け毛・薄毛だと思っていて、そのうち約60%の人が今や将来の頭髪の状態を気にしていることがわかりました。詳しい調査結果とそれに対する考察をご紹介します。
男性の3割は抜け毛や薄毛が気になっている
2003年、大阪大学の板見助教授が日本人成人男性(20〜69歳)6,509人にアンケート調査を行ったところ、以下のようなことがわかりました。
男性の3〜4人に1人は自分を抜け毛・薄毛だと思っていて、さらにそのうち2人に1人は毛髪状態が気になっている計算です。それぞれの結果について、もう少し詳しく見ていきましょう。
男性は加齢とともに抜け毛や薄毛が増える
自分が抜け毛・薄毛だと思っている人の割合は全体で約30%ですが、年代別に見ると以下のようになっています。
※2004年 日本人成人男性における
毛髪(男性型脱毛症)に関する意識調査より年齢を重ねていくに従って、抜け毛・薄毛だと思っていると回答した人の割合は増えています。これは自然な結果とも言えますが、日本人男性は欧米人男性に比べ、AGAの発症時期が遅いとされていることも関係しているのではないかと考えられます。
また、20代でも10%以上、30代でも20%以上の人が抜け毛・薄毛だと思っていることがわかります。加齢だけの現象と思われやすい抜け毛や薄毛ですが、20代でも10人に1人、30代では5人に1人が自分は抜け毛・薄毛だと気にしているのです。※2004年 日本人成人男性における
毛髪(男性型脱毛症)に関する意識調査より
抜け毛・薄毛を気にしている人の多くが悩んでいる
次に、自分が抜け毛・薄毛だと思っている人のうち、現在または将来の毛髪状態に悩んでいる人の割合は以下のようになっています。
※2004年 日本人成人男性における
毛髪(男性型脱毛症)に関する意識調査より全体では約60%ですが、特に若い世代ほど薄毛を気にしていることがわかります。特に、20代で抜け毛・薄毛が気になる人は将来の毛髪状態が気になるのも仕方のないことと言えます。
※2004年 日本人成人男性における
毛髪(男性型脱毛症)に関する意識調査より
抜け毛・薄毛に悩む人は8割が何らかの対処をしている
さらに、抜け毛・薄毛に悩む成人男性の約80%は実際に薄毛に対して何らかの対処をしています。これは、抜け毛・薄毛は本人にとっては深刻な精神的苦痛を感じる状態であり、何らかの対処を必要とするものであることを示しています。
例えば、30代で既に5人に1人が自分を抜け毛・薄毛だと思っていますが、この年代は結婚を最も意識する世代です。ところが、AGAによって抜け毛・薄毛が起こっていると、実年齢以上に高齢に見えてしまうだけでなく、身体的・精神的にもアクティブな印象を与えづらいため、異性から見た時に容姿や魅力が少ないと思われやすいのです。
AGA(男性型脱毛症)は決して直接的に生命を脅かす疾患ではありませんが、精神的に大きな影響を与え、時に負担や苦痛を受けることになってしまいます。対処方法は主に「育毛剤」「カツラ」「植毛」などですが、市販の外用薬は有効性が低く、カツラや植毛は経済的な負担が大きい割に満足度が低いことが問題です。
抜け毛・薄毛は若い世代ほど深刻な精神的負担となりうる
これらの調査結果から、若い世代で自分が抜け毛・薄毛だと感じている人ほど、将来の毛髪状態について不安が大きいことがわかります。しかし、外用薬や植毛・カツラなどは有効性や満足度の点で充分な対処法とは言えません。
各年代を平均しても、抜け毛・薄毛だと感じた人の約60%が悩んでいることから、AGAに対してより効果や満足度の高い対処法が必要だと言えます。